「自然農で家庭菜園をやってみたいのですが、
基本放ったらかしでいいんですか?」
みたいな事をよく聞かれるので、
今日は自然農の本質のひとつである、
“応じる”という事を
テーマにお話ししていきます。
自然農というと
草ボーボーとか放ったらかしとか
っていうイメージをお持ちの方も
いらっしゃるかもしれませんが、
実は要所要所で人間が手を貸す、
すなわち
“状況に応じていく”
という事は必要になってきます。
そういう意味では
実は結構、繊細なんですよね。
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まあ基本的にはその野菜が
“自ら生きる力を邪魔しないようにする”
というのが自然農における
応じ方となります。
で、そのためには
その育てたい野菜だけを見ていると
かえってダメにしちゃう事も多くて、
天候その他の環境や
周りの草や虫、
微生物などとの関係性、
それからそこに立つ自分自身の
目的、能力、状態などにも
うまく応じていく必要があるわけです。
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もちろんこれは
自然農に限った事じゃなく、
あらゆる農がそうなんですけどね。
ただし、“耕す”という事をしてしまうと
一時的に土が柔らかくなったり、
土の中に空気が入る事で
微生物によって一気に有機物の分解が進む、
すなわち養分が増えたりするので、
耕した直後は確かによく育つんですが、
いわゆる“亡骸の層”が壊れてしまうので、
以降は野菜の成長に必要な養分が
自動的に供給されるという状態では
なくなってしまうんですよね。
なので人間が養分を
与え続けなければならなくなる
という事になるわけです。
例えるなら
株とか不動産とかを全部現金化して
あるいはビジネスを売却して
経費に回す自営業者みたいな感じです。
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一方で自然農は
最低限のメンテナンスは必要ですが、
基本的には
草や虫、微生物たち、
さらにその活動の場であり、
糧でもある亡骸の層などが
自動で畑を耕してくれる、
そして養分を供給してくれる、
さらに虫や微生物の
食べたり食べられたりという
バランスによって
一部の虫や菌が爆発的に増えて
野菜をダメにするという事も
少なくなる
…などの
“仕組み”に働いてもらう
という感じなので、
ビジネスオーナーや投資家の
あり方に近いと思います。
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誤解のないように言っておくと、
僕は別に「だから耕す農法はダメだ」
と言いたいわけじゃなくてね、
応じ方というのは在り方、
あるいは目的によって決まる、
という事なんですね。
これは畑に限らず、
人生におけるあらゆる応じ方に
通じる事だと思います。
なので冒頭の
「自然農で家庭菜園をやってみたいのですが、
基本放ったらかしでいいんですか?」
という質問についても
まあ放ったらかしというのは
どうかと思うんですが、
そもそも
“放ったらかしにしたい理由”
があるのなら、
(たとえばなるべく時間や
労力をかけずに必要な作物を育てて、
あとは自分のやりたい事、
好きな事に従事したいから、など)
その理由や目的に沿ったやり方を
選択していけばいいわけなんで、
やっぱりまずは自分が
「どうありたいのか」
「どうしたいのか」
という在り方、目的を
見つめてみるというのが
大事なんじゃないかと思います。
(写真は6/27のもの)
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