はいどうも中津です。
今回は畑の土が硬すぎて
困っている方向けの記事です。
たとえばおうちの庭を使って
家庭菜園にチャレンジしよう!
と思ったものの、
畝を作ったり苗の植え穴を
掘ったりするのも一苦労で、
しかもあんなに頑張って植えたのに
そこから全然大きくならない!
というお悩み、ありませんかね?
何を隠そう僕自身も
同じ悩みを昨年、
特にナスなどの夏野菜を育てる際に
この畑で味わったんですね。
なので今年は
苗を植え付ける時に
とある裏技を施しました。
はじめに言っておくと
今回の裏技をやれば
100パーセントうまくいく
というわけではないのですが
今回とそれから
過去にも別の畑で
試してきた経験から
それほど
手間やお金をかけ過ぎずに
できる対処方法としては
今のところベストかなと
個人的には思っているので
それをシェアしたいと思います。
その裏ワザとは?
はい、それでは早速
その裏ワザをシェアしますね。
と言っても、途中までは
オーソドックスな植え方と同じです。
Step. 1
まずは植える場所に生えている草を
ざっと刈ってその場に敷き伏せます。
Step. 2
で、苗を植える箇所の
直径15〜20cmくらいの範囲の草を
少し地面に鋸鎌を差し込んで
茎を残さないように、
つまりは復活しないように刈って、
刈った草については一旦脇に除けて
土を露出させてやります。
Step. 3
はい、ここからが裏ワザです。
腐葉土をがばっと3つかみほど
先ほどしっかり草を刈った範囲に
どさっと置いてやって、
鋸鎌を差し込むようにして
ざくざくと深さ5〜10cmくらいまで
満遍なく攪拌します。
ちなみに…
ここで使うのは純粋な腐葉土、
つまり落ち葉や枯れ草などが
自然発酵して、ちゃんと
完熟したものがいいと思います。
家畜糞などが混ざっているもので
この方法をとると、
肥料焼けといって、この後植える苗に
障害が出る可能性がありますんでね。
とはいえ売っている腐葉土の場合、
製造法によってはやはり野菜に
肥料焼けなどが現れかねないので
本来であれば混ぜ込んでから
2週間〜1ヶ月くらい寝かせた方が
無難だと思います。
ただ僕はこれまで
そんなに問題が起きたことがないのと
そもそも計画性に乏しい人間なので
苗植えの時に一緒に施しています。
Step. 4
はい、というわけで
腐葉土を混ぜ込んだら
次は苗の鉢がぴったり入るくらいの
植え穴を掘ります。
で、その植え穴に水をひたひたに入れて、
水が全部染み込んだら
きちんとまわりの土と
密着させるように苗を植えます。
STEP. 5
そして、最後に株元に
なるべく厚めに草を敷いて
以降は必要に応じて
さらに敷き草を追加したり、
様子を観ながら米糠や
油粕(菜種油の搾りかす)を補ったり
することで
割とかちこちの畑でも
野菜が順調に育つようになります。
耕せばいいのでは?
ここでもしかしたら、
「土が硬いなら耕せばいいんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、
そもそも硬く締まった土というのは
それを構成する粒のひとつひとつが
細かいわけなんです。
なので耕すことで空気を入れても
直後はふわっとしているんですが…
踏んづけたり、雨が降ったりすると
すぐに目が詰まって、
がっちがちに締まった土に
逆戻りしてしまうんですね。
まあこれ厳密に言えば、
逆戻り以上なんですけれど、
長くなるんでちょっと今回は
その部分のお話は割愛するとして
それを解消するために
今回使った腐葉土などを
土の中に混ぜ込むことで
さっき話した粒が細かい状態、
まあこれを単粒構造と呼ぶんですが、
その単粒構造から団粒構造といって
隙間が多くてポロポロした土に
なるように促す、というのが
農業の現場なんかでも一般的に
行われています。
で、その団粒構造の土というのは
水もちと水捌けどちらもよくて
さらに養分が雨で流れ出ないように
保持する性質なんかもあったりして、
野菜を栽培するのに理想的なんですが、
これは何のことはない、
山や草むらの土、それも長い年月、
人の手が加わっていないような
山や草むらの土を真似たものなんです。
そういったところでは
植物の根が土の中に行き渡ったり、
そこで虫たちや菌類、
その他の微生物たちが活動したり、
さらには彼らが命を全うした後に
その亡骸をその場に毎年毎年
積み重ねていく(亡骸の層)ことで
腐葉土を施したのと
同じような団粒構造、
というかむしろ人為的にやるより
亡骸の層やそこを舞台に生きる
多様な命たちのおかげで
なおいっそう良い感じの
土になるわけです。
なので、自然農においては
基本的には草や虫、微生物たちに
土づくりや耕すことをやってもらう、
というスタイルをとっています。
誤解のないように申し上げておくと
だからと言って僕は別に
耕したり、堆肥や肥料を施したり
する農法が間違っているなどと
言いたいわけではありません。
やり方というのは
目的や価値観に沿って
最適化されていった結果ですし、
そもそも故あって
- この世に存在しているものは
すべて自然物 - 起こることのすべては自然現象
だと僕個人としては捉えています。
それに、
良いことづくめに思える
このスタイルにも
ちゃんと欠点はあるんですね。
それは
“時間がかかる”
ってことなんです。
それこそ作物を育てるに足る
地力が養われるまで待つとなると
10〜30年くらいかかる
と言われています。
ですのでそれを少しでも
短縮するために今回のような
テコ入れを僕はしています。
まあそれもね、
たとえば鳥が翼を使って空を飛ぶのと
人間が脳みそを使って効率化を図るのは
等しく自然な行為だと思いますし、
よくよく見てみれば完熟、
すなわち発酵が終わった腐葉土の上に
これから発酵する刈り伏せた草や
米糠、油粕を積み重ねているので
先ほど話した
人の手の加わっていない
草むらや山なんかに毎年
積み重なっていく亡骸の層と
似たような構造にはなっているんです。
もちろん人為的にやっているので
多少の歪みは生じるかもしれませんが、
今のところ大きな問題は起きていません。
やり方の最適化(僕のケース)
ちなみに自然農の手引書などには
米糠や油粕を上から振りまくという
手の貸し方はよく載っているんですね。
ただ、僕もかれこれ10年、
自然農を実践しているんですが
草があまり生えていない畑、
あるいは草は生えていても
その下の土が硬すぎてあまり
根が深くまで張れないような畑
においては
米糠や油粕を振り撒くだけでは
野菜がよく育つところまでは
なかなかいかない、
というのを感じています。
なので今回みたいに
なるべく刈った草を
厚めに敷いて、
理想を言えば米糠や油粕と
草をミルフィーユ状に
つまり交互に積み重ねていく
というのがいいと思います。
まあこれは
積層マルチと呼ばれる技術で、
考え方としては
コンポストと同じなんですけどね。
で、この積層マルチを作った段階では
当然、その下はまだ硬いままなので
植えた苗がある程度の範囲まで
根っこを伸ばしやすいように
腐葉土を混ぜ込んでやった
ということですね。
ちなみに腐葉土を
土に混ぜ込んでいるのは
混ぜない状態よりも
野菜が根を伸ばしやすいかな
と思ってのことです。
(腐葉土だけだと隙間が大きすぎるため)
その後の成長
というわけで植えた後のナス、
それから同じようにして植えた
ピーマン、シシトウの様子なんですが、
概ね順調に育っていって…
こんな感じで実をつけました。
特にピーマン、シシトウについては
去年はほとんど実を着けなかったので
品種の違いや個体差もあるとは言え
かなり良い感じになったと思います。
一方でナスはちょっと
それでもまだ本調子には
至らなかったかな〜というところです。
過去にもっとうまくいったときと
何が違ったかなと考えると
もちろん畑そのものが違うことや
天候が毎年違うことなどもありますが
ひとつは、
腐葉土に籾殻くん炭を足すことで
微生物の活動が盛んになったり
土が酸性に傾いている場合は
それが緩和されたりするんですが、
今回はうっかり入れ忘れていたこと、
もうひとつは、
米糠を調達できなかったので
油粕ばかりを地力の補いに
使っていたことなどがあるかな
と思います。
というのはよく
- 米糠は実物に効く
- 油粕は葉物に効く
と言われていて
僕は基本1:1で混ぜて
使うことが多いんですけど…
今年は色々あって米糠を
手に入れることを
怠ってしまったんです。
まあこれは反省ですね。
ちなみに米糠はコイン精米所に
精米をしに行った時に
だいたい隣に設置されている
糠ボックスから頂戴しています。
ただ糠を欲しい人も結構多いので
よっぽど大量に余っている時以外は
少しずつ分けてもらうようにしています。
ホームセンターによっては
脱脂ヌカというのが売っているので
それがあれば買うこともありますね。
(近くのホームセンターには売ってませんでした)
一方で油粕はどのホームセンターにも
だいたい置いているので
手に入れやすいと思います。
…
まあそんなこんなで改善すべき点も
色々と見つかったんですけれども
言うてナスも良い感じに
実を着けてくれていますので
自然農に切り替えて2年目にしては
上出来じゃないかなと思います。
まとめ
はい、といった感じで
今回は土が硬い時の裏ワザと称して
僕なりのテコ入れの方法を
シェアさせて頂きましたが
いかがでしたでしょうか?
まあこれらは言ったら
僕自身も含めた、
畑の命のめぐりに応じて、
最適化してきた結果なわけです。
ですので冒頭で
これらの方法をとれば
100パーセントうまくいくという
わけではないが、と前置きしたのは、
僕の畑とあなたの畑、
僕の目的や価値観と
あなたの目的や価値観は
それぞれ異なるからというのと
さらにそれらは
刻一刻と変容していくので
そうしたらまた最適化する、
で、また変容したら
また最適化する
…を繰り返していくしかないから
なんですよね。
ですので決まったことだけを
やり続けたいという方には
しんどいかもしれないんですが、
変化に適応していくのが楽しいと
思える方はぜひ、
ご自身の目的や価値観、
そしてご自身の畑の命たち
に応じてやり方を最適化していって
頂ければと思います。
それは家庭菜園に限らず、
人生においても重要なことだと
思いますのでね。
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