【自分らしく生きたい方必見】足元がお留守になっていませんか?【パーマカルチャー】

 

“自分らしく生きたい”

 

当サイトにお越し下さっている時点でおそらく、
あなたもこのニーズをお持ちなんじゃないかと思います。

このニーズの事を心理学の分野では
“自己実現欲求”などと呼んだりしますね。

 

ところで、この自己実現欲求を持てる環境というのは
実はかなり恵まれている事だとご存知でしたか?

 

アメリカの心理学者アブラハム・マズローは

「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」

と仮定し、人間の欲求5段階の階層で理論化しました。

 

これをマズローの自己実現理論
(あるいは欲求5段階説)と呼びます。

 

以下の図1をご覧下さい。

図1 マズローの自己実現理論

 

このピラミッドの下位の欲求が満たされてはじめて
上位の欲求を抱く事が出来るという事ですね。

「6段あるじゃねーか!」と思った方はコチラ

 

これを見て頂くと、冒頭で挙げた
“自分らしく生きたい”
という自己実現欲求は

①生理的欲求
食事、睡眠、排泄など生命維持のための本能的な欲求

②安全欲求
安全や安定、健康など予測可能で秩序だった状態を得ようとする欲求

③社会的欲求
社会に必要とされたい、どこかに所属していたいという欲求。
(親和欲求と呼ぶ事も)

④承認欲求
他人や自分自身から価値を認められたい、尊重されたいという欲求。

 

…が満たされている必要があるので、

そもそも衣食住が確保できなかったり、
医療治安がしっかりしていなかったりすると、
そのスタートラインに立つ事も難しいのですよね。

 

そういう意味で、僕ら日本人は実は
「日本に生まれた」というだけで
自己実現には結構なアドバンテージがある
とも言えるのです。

(もちろん、そうでない人が一概に不幸だ
などと言いたいわけではありませんよ)

 

ただし、僕らがある意味、
当たり前のように思っている
これらの下位の欲求の満足度
脅かされるような事態
になれば、

今度は当然ながら
生理的欲求安全欲求などが
僕らが最優先するべき欲求に変化します

 

そういう意味でも
生理的欲求安全欲求
その上の社会的欲求承認欲求といった

“欠乏欲求”を満たすための土台については
盤石にしておくに越した事はないわけですね。

 

そのための手段として、
僕は以前、自給菜園というものを提案させて頂きました。

今回はさらに視野を広げて考えてみましょう。

 

 


あなたの自宅のシステム設計はどうなっている?


では、紙とペンをご用意下さい。

その紙の真ん中に“自宅”と書いて、四角で囲って下さい。

そして、

  • 食料
  • エネルギー(もしくはエネルギー源)

のそれぞれの要素について、

  • どこから入ってきているのか(入手元)
  • 何を受け取っているのか(入手物)とその用途
  • 代わりに何を払っているのか(代償)

を書き加えて、以下のような図を作成してみて下さい。

↓タップすると大きくなります

図2 自宅のシステム(食料、水、エネルギー)

 

ちなみにこの図は
僕の自宅のシステム(2019年7月現在)です。

畑をやっている分、
ちょっとはリスク分散出来ていますが…

まだまだ有事の際には
困りそうなシステム設計ですね(汗)。

 

あなたの場合はどうでしたか?

 

 

また、ここではやりませんが、
これを自宅単位から国単位に拡げて考えてみると
さらに色々な事が見えてきます。

 

すなわち僕たちの住む日本は

  • 食料
  • エネルギー(もしくはエネルギー源)

どの程度自給出来ていて、
どの程度を輸入に頼っているのか

 

水については“仮想水”という概念を考慮すると
なかなか面白い事実に行き当たると思いますよ。
(特に食料廃棄率と併せて見てみると…)

 

 

さて、ここまでであなたは
自分らしく生きるための基盤について、
どのような印象を持ちましたか?

現在、僕らの生理的欲求と安全欲求を
満たしてくれているシステム、
案外リスキーだなと感じませんか?

 


“パーマカルチャー”を取り入れて、自宅のシステムを再考してみよう


では、先ほど作成したシステム設計図の
改良案を一緒に考えてみましょう。

この際、非常に参考になるのが
“パーマカルチャー(Permaculture)”
という概念です。

 

パーマカルチャーという言葉は

パーマネント(parmanent 永久の)

アグリカルチャー(agriculture 農業)
もしくは単にカルチャー(culture 文化)

を組み合わせたものです。

 

ここでのパーマネント(parmanent 永久の)とは
サステイナブル(Sustainable 持続可能な)
同じような意味で捉えてもらっていいと思います。

 

僕ら一人一人のライフスタイルに当てはめるなら、
“持続可能な農的暮らし”のためのデザイン体系
とでも言いましょうか。

 

デザイン体系というと、ちと抽象的な言い方ですが…

建築エネルギー等の
ライフライン
について、

自然の法則にうまく則りながら、
本当の意味で効率的、そして永続的
となるような配置、組み合わせ

とでも捉えてもらえればいいと思います。

 

つまり、
現代の僕らが利用しているライフラインは
まだまだ非効率な部分
そして近視眼的な部分が多いのです。

 

たとえば暖房調理などには
“熱エネルギー”を利用していますよね?

その熱を起こすために、
近代では僕らの多くは電気を用います。

現在はオール電化の家などもありますし、
それでなくても都市部における空調には
電気で動くエアコンなどを用いる方が
ほとんどなのではないでしょうか?

 

しかしながら、
この電気は何から作っているかというと、

化石燃料などを用いて起こした“熱”により
発生した蒸気で発電機のタービンを回して
作っているわけですよね?

 

その工程自体においても
熱エネルギーのロスは当然ありますし、

さらに送電をする際のロス等も加味すると…

 

実は結構な量の熱エネルギー
直接的にエアコンとして部屋を暖める、
あるいはIHコンロ等で調理をする目的以外に

流れていってしまっているのです。

 

もちろん便利だし、
煙も出ないなどのメリットはあるのですが、

単純に熱効率だけを見たら、
暖房や調理などには
薪やガスなどを用いてその場で熱を起こした方が
効率が良いのだそうです。

 

また食料や水、エネルギー等の
“入ってくるもの”
もさる事ながら、

下水、ゴミ等の
“出ていくもの”
も大きな施設で一括処理するために、

処理費用、輸送コスト、メンテナンス費用、
人件費、etc…色々かかってきますよね。

 

さらにゴミを出した時点でどこか
「もう俺には関係ないもんね」
って感じにもなってしまうので、

環境負荷についても
あまり意識していないという方が
多いのではないでしょうか?

 

もちろんそれによって
自分にとって優先順位の高い物事に従事できたり、
汚水処理やゴミ処理における技術の進歩
雇用の促進が生まれたりもするので、
デメリットだけでなくちゃんとメリットもあるんです。

 

ただ、冒頭にご紹介したマズローの欠乏欲求
(生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求)
と照らし合わせてみると…

「自然の仕組みから外れている」という隔絶感
あるいは「環境破壊をしている」という罪悪感
などがもし僕らの中にあるとしたら…

安全欲求や承認欲求などを脅かす
潜在的な不安がある事になりますよね?

 

そういった意味でも、

  • 環境負荷のなるべく少ないシステム
  • 資源や廃棄物がなるべくその場で循環するシステム

を自身の生活レベルで取り入れていく事は
“自分らしく生きる”上でも有効だと思うわけです。

 

さて、そういった事を踏まえながら、
先ほどの僕の自宅のシステム改良案を考えてみました。

↓タップすると大きくなります

図3 自宅のシステム(食料、水、エネルギー)・改善案

 

赤色で書いた部分が改善案です。

食に関しては鶏や羊、ヤギなどを飼えば
卵や乳、肉なども自給できるかな〜と。

羊やヤギは草刈り係としても優秀ですし。

さらにその糞は畑に還す事も出来ますが、
発酵槽を用いればメタンガスも取れます。

その他にも太陽光パネルで発電したり、
雑木林で落ち葉や薪を手に入れたり、
雨水を貯めて生活用水にしたり…

あと夏場は太陽熱を使ってお湯を沸かせば、
薪やガスを使わなくてもシャワーが浴びられます。
(図3には書ききれませんでしたが)

またそもそも家のつくりに関しても、
たとえば南側にケヤキなどの落葉広葉樹を植えておけば、
夏は家が木陰に入って涼しいですし、
冬は葉が落ちて陽がよく当たります。

 

…とまあこんな感じで、
自然の仕組みをうまく利用する事で、
資源を近場で調達出来たり、循環させたり出来る事が
何となくお分かりになりましたでしょうか?

 

薪とか家畜とかという文字列を見て、

「マンション暮らしだから無理だよ」

と思った方、ご安心下さい。

僕も現在マンション暮らしです。
(安心してってのも変ですが。笑)

 

まあ、僕は近々田舎に引っ越す計画もあるので
多少の現実味はあるのですが、

ここではとりあえずブレインストーミング的に
アイデアを先ほどの図に書き込んでみて下さいね。

 

 

 

どうですか?

今すぐには実行できないアイデアもあるかもしれませんが、
「これが実現したら何かあっても安心だな〜」
と思えるくらいの改良案が出てきましたか?

 

その安心感ワクワク感を大事にして下さいね。

そこに本当に価値を感じたなら…
もしかしたら数年後にはその通りになっているかもしれませんよ?笑

 

それと誤解のないように申し上げておくと、
これは現在の食料生産や流通システム、
あるいは水、電気、ガスなどのインフラ等を
完全否定して手放せと言っているわけじゃありませんよ。

 

以前、
【自給菜園】株にしますか?それとも蕪(カブ)にしますか?

においても同様の事を述べましたが、
これはあくまでリスク管理なのです。

しかも今回のテーマ的には
自己実現のためのリスクヘッジです。

 

完全自給自足が
あなたのやりたい事なら問題ないんですが…

他に価値を置いている事があるのでしたら、

今あるものもうまく使いつつ、
それがダメになった場合も想定して策を打っておく

というフレキシブルな生き方が
物理的にも、精神的にも健やかでいられると思いますよ。

 


すべては自分らしく生きるため


というわけで今回はマズローの自己実現理論から
パーマカルチャーまで盛りだくさんでしたが、

まとめると…

自分らしく生きるためには守りも大切だよね

って事です。

 

ここでもう一度、冒頭の図を貼り付けておきます。

図1 マズローの自己実現理論(再登場)

 

ちなみにマズローはこの図1における
欠乏欲求を十分に満たす経験をした人間
そこにある程度の耐性を持つようになり、

たとえそれらが満たされていない状態であっても
その先の成長欲求実現のために活動できるようになる
述べています。

 

とは言え、冒頭でも述べたように
“自分らしく生きたい”のであれば
“欠乏欲求”についてはしっかりと対策を打って、
常に満たしておくに越した事はないと思います。

 

今すぐに出来ることとしては、
たとえばカセットコンロを買っておくとか、
備蓄の水や非常食を用意するとかでもいいと思うんです。

 

これならあなたが
マンション暮らしだったとしても可能ですよね?

 

それに

「マンション暮らしだから無理」

と考えるのをやめるのではなく、

長期的な視野を持って
ライフスタイルそのものを設計し、
少しずつ形にしていく事も大切だと思うんです。

 

それこそ、今回は
食料、水、エネルギーについてのみ考えましたが、

本当は家を建てるところから考えた方が面白いですし、
衣服医療、教育、防衛…などなど、
その他にもたくさんの再考するに足る要素があるのです。

 

そしてそれを意識するほどに、
この日本という国に対する感謝の気持ち
自然と湧いてくるというものです。

 

ですから自分らしく生きたいのであれば、
ぜひ一度これらをどう満たすかについて
考えてみてほしいと思います。

 

その際、
別に今回紹介したパーマカルチャー的なシステム
正解というわけではありませんよ?

考えた上で、やっぱり都会的な暮らし
ノマド的な暮らしが良ければそれでもいいのです。

 

ただ、自己実現のための基盤の守りについて、
意識しているのとしていないのとでは雲泥の差です。

 

都会的な暮らしや、ノマド的な暮らしを選ぶ方にも
寝泊まりする場所や各種ライフラインについては
もしもの時の対策を打っておいてもらえればと思います。

 

しつこいですがすべては、
自分らしく生きるため、です。

 

あ、そうそう。

今回の記事でパーマカルチャー
ご興味をお持ちになった方向けに、
おすすめの書籍を2冊ご紹介しておきますね。

 

最後までご覧頂きありがとうございます。

素敵なムカデライフを。

 

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