竜ヶ崎・自然農の会(2019.07.09)

【自然農とDr.ディマティーニ、攻殻機動隊、HELLSINGから
考察する
“命の道”、“人の道”、“我が道”】

一昨日7/9(火)は竜ヶ崎・自然農の会。

パクチー、エダマメ、インゲンの種播きのほか、
ジャガイモの収穫、ニンジンの間引き、
各種野菜周りの草抑え等を行いました。

 

 


命の道、人の道、我が道


自然農は多くの気付きを与えてくれます。

それは多様な命のめぐりに触れる事が
僕らの中にもある

  • 生命としての在り方(命の道)
  • 人間としての在り方(人の道)
  • 自分としての在り方(我が道)

を思い出させてくれるからです。

 

時にこの
“命の道”、“人の道”、“我が道”
というのは自然農を確立した川口由一さんの
言葉を借りたものなのですが、

これらに関して、

  • 何を以って生命とするのか?
  • 何を以って人間とするのか?
  • 何を以って私とするのか? 

という事を深く考えさせてくれる
アニメ作品があります。

 

それは、

  • 攻殻機動隊シリーズ(特にGHOST IN THE SHELLとS.A.C)
  • HELLSING

です。

※以下、作品のネタバレを大いに含みますのでご注意を。

 


経験や能力がアイデンティティを証明する手段にはならない世界


攻殻機動隊の世界では
AIやアンドロイドの進化はもちろんの事、
“義体化”“電脳化”により人間自身も
元々持っている以上の機能を獲得する事が
可能になっています。

 

ちなみに、それぞれの言葉の説明をしておくと

義体化:
身体のパーツを機械化する事で、
病気や事故などで欠損した部位を補ったり、
さらに人間の能力を超えたパフォーマンスを
発揮できるようにしたりする技術。
義体化された人間はサイボーグと呼ばれている。

電脳化:
脳の一部を機械化する事で
高速演算や記憶の容量拡張が可能になり、
さらにネットに接続する事で
スマホのような端末を使わずに通信を行ったり、
記憶の外部化を行ったりする事が可能になる技術

です。

 

さて、ここで問題となってくるのが先の

「何を以って“私”とするのか?」

という事です。

 

だってその世界においては、
身体についてはいくらでも換えがきくわけですし、
脳の情報処理能力についても拡張できちゃうわけです。

さらには電脳をハッキングされて
偽の記憶を植え付けられる、なんて事も起こっています。

 

という事は、もはや自分の経験や能力なんてものは
アイデンティティを証明する手段にはなりえないんです。

 

これは情報化の宿命とも言えます。

 

僕らの生きるこの現代においても
すでにその片鱗は見え始めていますよね?

 

たとえば一昔前なら結構な高額で
取引されていたような情報商材。

それらの内容は
ひたすらコピーとシェアをされ続け、
今やブログやYouTubeなどで
無料で手に入っちゃいます。

 

一部の“すごい人”しか知り得なかった事は
情報化によって広まり、
ものによっては一般人にとっての
常識にまでなってしまうわけです。

それによって全体のレベルが上がる
というメリットはありますが、
情報やスキルそのものはどうあがいても
希少価値や特別感を失っていく運命なんですね。

 


私を私たらしめているものとは?


映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』
主人公である草薙素子(通称:少佐)も

「何を以って“私”とするのか?」

というアイデンティティの確立に悩んでいる一人です。

 

少佐は幼い頃に
脳の一部を除く全身を義体化しています。

つまり自分のオリジナルの身体が
ほとんど残っていない状態で
長い時を過ごしてきており、

さらにその僅かに残っている“脳”さえも
自分の目で見た事がないのです。

 

僕らは鏡の中の自分の顔や身体を見た時に、
あるいは過去の記憶を思い出した時に、
自分が間違いなく自分である事を認識出来ますよね?

 

でも先にも述べたように、
この作品の世界においては、
顔も身体も、さらには記憶さえも
自分が自分である事の証明にはならないわけです。

 

ですから少佐は自身の“ゴースト”によって
自分が自分であると認識するしかないのです。

ちなみに“ゴースト”とは…

身体や記憶などの
交換可能あるいは書き換え可能な要素を
全部取っ払っていった先に最後に残る、

“私を私たらしめているもの”

ありていに言えば“魂”のようなものです。

 

ですから攻殻機動隊の世界においても、
記憶データをコピーしてコンピュータに入れても、
あるいはAIがどれだけ発達しても、
そこに生命が宿る事はありません。

それはゴーストのない、
ただのデータであり、
ただのプログラムだからです。

 

しかし…

 


自分が自分である事を証明する、一番重要な要素とは?


『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』
という作品に登場する思考戦車(AIを搭載した戦車)
であるタチコマは本来ゴーストを持たない存在です。

彼らは全部で9体いて、
任務をこなす度にお互いを“並列化”します。

 

僕らがSNSなどで行う“シェア”の場合は、
あくまでも写真や動画、文章などを共有しますよね?

投稿者の実際に経験した事を
完全に追体験できるわけではありません。

おまけにそこには閲覧者の色眼鏡もかかってきます。

 

一方で、この“並列化”の場合は
感覚器官を通して経験した記憶そのものが、
丸々シェアされる事になります。

ですから並列化を行った後では、
「どの機体がその経験をしたのか」
も意味をなさなくなります。

9体すべてが同じになるという事なんですから。

 

そこに個性など生まれるはずもない
…はずだったのですが、

何故かこのタチコマ達、並列化を繰り返す度に
9体それぞれが個性を獲得していきます。

 

そしてついには“ゴースト”のようなものを持つまでに至ります。

 

少佐はこの現象に、
「情報の並列化の果てに“個”を取り戻す一つの可能性」
を見出します。

 

それは…

“好奇心”です。

 

タチコマ達は非常に好奇心旺盛です。
常にワクワクしながら情報を収集しています。

(それが元で結局、少佐達から
「兵器としては危険」と判断され、
研究所(ラボ)送りになってしまうのですが…)

 

そしてその好奇心の方向は
個体ごとに微妙に違っていたのです。

どれだけ均一になるように作られた
機械やAIと言えども、そこに一定の差異は
生まれてしまうわけですからね。

 

その微妙な“作りの違い”
好奇心の方向の違いを生み出したのでしょう。
(実はそこには開発者の意図が含まれていたのですが…)

 

 

ここで、Dr.ディマティーニの教えを学んでいる方や、
僕のブログを読んでくれている方は
ピピッとアンテナが反応したんじゃないでしょうか?

 

これって“価値観”の話とよく似ていると思いませんか?

 

参考記事:

 

僕らは指紋や声紋などと同じように、
固有の価値観の優先体系(価値の序列)
を持っています。

優先順位の高い価値観とは
「こうすべき」「こうでなければならない」
といったものではなく、言わば

“気が付いたらやってしまっている事”

です。

 

この事に関してDr.ディマティーニは
『お金を「引き寄せる」最高の法則』
という著書にて、

「あなたの魂には目的があります」

と仰っています。

つまりゴースト(魂)には
明確な“方向付け”が存在するわけです。

どこへ?

自分の中での優先順が高い価値観を満たす方向に、です。

 

攻殻機動隊の世界ではそれこそ指紋も声紋も
自分が自分である事の証明にならないわけですから、
この“好奇心”すなわち“価値の序列”のみが

「何を以って“私”とするのか?」

を証明する手がかりになるというわけですね。

 

義体化や電脳化まで至っていない
現代の僕らにとっても、

自分が自分である事を証明する要素として
一番重要となるのがこの

“価値の序列”

である事は間違いないでしょう。

 


情報の融合による“生殖”と“死”


さて、話を続けましょう。

先のタチコマと同じように、
AIがゴーストを持った存在
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』
に登場する“人形使い”です。

 

人形使いはもともとはある目的のために作られた
AI、つまりプログラムに過ぎなかったのですが、
ネット上で情報を収集していくうちに“自我”に目覚めます。

言わば情報の海で生まれた新たな生命です。

 

ですが既存の生命なら当然持っている機能
この人形使いは有していません。

これこそがまさに冒頭の

「何を以って生命とするのか?」

という部分ですね。

 

何だと思いますか?

 

 

 

それは“生殖”“死”です。

 

ですから物語のラストでは少佐に
自身と“融合”する事を持ちかけます。

それにより人形使いでも草薙素子でもない
“新たな存在”を生み出そうとするわけです。

これは“生殖”にあたります。

 

そして新たな存在として生まれ変わるという事は
同時にこれまでの自分は消滅する事になります。

これは“死”にあたります。

 

つまり人形使いは少佐と融合する事で、
新たな、そして完全なる生命となろうとするわけですね。

 

ところで、この人形使いと少佐のような
「情報の融合による生殖」という概念は
とても興味深いですよね。

現代の僕らもこれは経験しているのではないでしょうか?

たとえば、誰かのセミナーに行く、
あるいはブログや動画を見る、
もしくは映画や小説に触れる、etc…

そのどれもが“情報との融合”と言えませんか?

 

そしてそれを誰かに話したり、
こうしてネットで発信したりする事、
すなわちアウトプットによって、
アウトプットする前の自分とはもはや別人になっているのです。

 

参考記事:

 

つまり僕らは
情報のインプットとアウトプットを通して、
新たな自分の誕生以前の自分の死という
生命の条件とも言えるプロセスを行なっているわけです。

そういう意味では僕らはすでに
情報の海から生まれた生命体なのかもしれません。

(とは言え、それによってゴーストまでは変わらないので、
少佐と人形使いの融合とは厳密には違うのですけどね汗)

 


人間を人間たらしめているものとは?


さてここまでで、

  • 何を以って生命とするのか?
  • 何を以って私とするのか?

についてお話ししてきました。

(いったい何人が付いてきてくれているやら…)

 

最後は

  • 何を以って人間とするのか?

についてです。

 

これについて面白い事を述べている人物がいます。
『HELLSING』に登場する“少佐”です。

(先の草薙素子も少佐…ややこしいね)

 

この少佐はいわゆる戦争狂です。

一般に戦争は手段であって、
そこには経済などの目的が存在します。

 

ですがこの少佐は違います。

「目的のために手段は選ばない」の逆、
「手段のために目的は選ばない」という
とんでもない男です。

 

そして、
主人公である吸血鬼アーカードを滅ぼす事
目的とするようになります。

 

ですが、実は少佐には戦争を求める理由があったのです。

彼は実は脳の一部を残して、全身が機械となっている
いわゆるサイボーグです。

(何だかさっきの攻殻機動隊の話と似ていますね)

 

それでも彼は言います。

「私は人間だ」

「人間が人間たらしめているものはただひとつ。己の意志だ。」

 

つまり彼は自分の意志がある限り、
全身サイボーグになろうとも人間だと断言しているんですね。

 

 

また吸血鬼アーカードは相手の血液を吸う事で、
相手の命を吸収し、支配する事が出来ます。

しかしそれは同時に相手の特性や人格までもが
自分の中に取り込まれるという事でもあるのです。

 

これを少佐は「認めない」と言います。

彼はある意味、“自分”という不可侵な存在を
守るために戦争を行なっているのです。

「こっちはあっちと、私はあなたと違う」

「この世の戦争のすべては、それがすべてだ」

まさに以前、僕のブログでも紹介した
相対界の極みとも言えます。

 

参考記事:

 

一方で主人公の一人であるインテグラに少佐は
「お前はひとかけらも人間ではない。」
と否定されます。

インテグラは戦争について、
「人間だけが“倒す事”を目的とする」
と言います。

 

少佐は先にも述べたように
「手段のためなら目的を選ばない」男です。

ですから先の
「“自分”という不可侵な存在を守るために」
という目的も、

“戦争という手段”の悦びを経験するための
後付けの目的でしかなかったのかもしれません。

そこをインテグラには看破されていたんでしょうね。

 

 

つまりですね、
さっきの価値の序列の話において
「自身の最上位の価値観とは己の魂の目的である」
というような事を述べましたが、

インテグラの言葉と併せて考えると、
この“魂の目的”、すなわち
自分の最上位の価値観に従って生きる事こそが
“人間らしさ”なのではないでしょうか?

 

逆に、後付けの目的に従って生きるというのは
人間じゃない、とまでは言いませんが
“本来の人間らしさ”からは逸脱しているという事。

それこそ社会的理想常識といった
他人の価値観、他人の目的に従っている人
もそうです。

それって身体については生身でも、
ちょっとロボットっぽくないですかね?

 


まとめ


…というわけで自然農の話に始まり、
攻殻機動隊やHELLSINGという作品で述べられている事から、
Dr.ディマティーニの教えまで多岐に渡って

  • 生命としての在り方(命の道)
  • 人間としての在り方(人の道)
  • 自分としての在り方(我が道)

についてあれこれ考察してみましたが、
いかがでしたでしょうか?

 

別に今回、僕がつらつらと書いた内容は
あくまで僕の価値観に基づく僕の考えですので、

あなたはあなただけの
“命の道”、“人の道”、“我が道”
を歩んで頂ければと思います。

 

その上で今回の話が何かのヒントになれば
発信者としては幸いです。

素敵なムカデライフを。